事務所コラム
三平和男コラム「同級生との集い」
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2026年5月1日
高校一年、十五の春に出会ってから五十五年が過ぎた。
あの頃は、まさかここまで長い付き合いになるとは思いもしなかった友人たちである。学校帰りに他愛もない話をし、進路の悩みや将来の夢を語り合っていた私たちが、今では互いの体調や病気の話を肴に酒を酌み交わしているのだから、時の流れは不思議なものだ。
クラス替えもなく三年間共に高校時代を過ごした友人、男六人の集いは、互いに気を使う必要もなく、日頃会う機会もない者同士だが、妙に落ち着く。高校時代、同じ教室で同じ時間を過ごしたというだけで、それぞれが異なる人生の道を歩んできている。そして、その答え合わせのような場になる。思いつくと誰かが幹事を務め、気取らない居酒屋に集まり、互いに元気でいることを確認し合うことが、いつの間にか、年中行事のようになっている。
古希を迎えた顔には、それぞれが歩いてきた時間がそのまま刻まれている。
それぞれの道を歩んできたからこそ、一人ひとりの家族や仕事についての近況報告もまた刺激的だ。皆、話す口調や間も昔のままだ。ただ一つ違うのは、それぞれの「今」だ。「最近は医者通いが増えたな」そんな言葉が自然に出る年齢になった。血圧、腰、目、持病の薬。若い頃なら冗談で済ませていたことも、今では互いを気遣う真剣な話題だ。それでも暗くならないのは、同じ時間を重ねてきた安心感があるからだと思う。働き方は、それぞれ異なるが、皆、仕事を続けている。誰かが夫婦で行った温泉旅行の話を始めた。「何も話さず湯に浸かる時間がいちばん良かった」という言葉に、全員が納得する。若い頃は先のことばかり考えていたが、今は今の時間を味わうことができる。
それでも、こうして居酒屋の暖簾をくぐり、元気な顔で「久しぶり」と言い合える時間がある。その幸せを、以前よりも強く感じるようになった。健康で会えること自体が、何よりの贅沢なのだ。五年後でも、十年後でも、互いに「まだいけるな」と笑っていたい。
ただ、また会おうと言える今日があることに感謝しながら。
今月も、どうぞよろしくお願いいたします。