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三平和男コラム「春の恵み」

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三平代表コラム 

2026年6月1日

春の終わりを告げるころ、茨城に住む大学時代の友人から、大きな箱が届いた。中には、ずっしりとした重みのあるタケノコがぎっしりと詰まっていた。土の香りとともに、若い頃の記憶まで一緒に送られてきたようで、思わず顔がほころぶ。彼は愛媛・松山の出身で、大学卒業後は教員の道を選んだ。その後、結婚を機に奥様の実家がある茨城県常陸大宮へ移り住み、夫婦そろって教壇に立つ生活を長く続けてきた。

 

タケノコが届いたその日から、我が家の食卓は“タケノコ尽くし”となった。まずは、旬の香りを生かしてパスタに。オリーブオイルとニンニクで軽く炒めるだけで、春らしい一皿になる。翌日は定番のたけのこご飯。炊き上がる湯気とともに立ちのぼる香りに、食欲をそそられた。タケノコと一緒に木の芽と自家製の味噌まで添えられていたのは、嬉しかった。木の芽和えは、ほろ苦さと爽やかさが春を感じさせてくれた。天ぷらにすれば、外はサクサク、中はみずみずしい食感が楽しめた。味噌汁の具として入れても、とても美味しく、いつもの味噌汁が少し贅沢に感じられた。

 

タケノコを使った料理は、どれも美味しく、「パスタも美味しかったけど、一番は春巻きかな」などと話しながら家族で囲む食卓は、何気ないようで、とても豊かな時間だ。旬の食材は、料理の工夫だけでなく、人と人との距離も自然と縮めてくれる。遠く離れて暮らす友人が選び、掘り、送ってくれたタケノコ。そのひとつひとつに、季節への思いや友情の温かさが詰まっている。奥様から丁寧に調理方法の例などを記したメモが添えられており、細やかなお気遣いに、その温もりを強く感じた。

 

春の味覚を通じて感じたのは、食べることは生きること、そして分かち合うことだという、ごく当たり前で大切な事実だった。来年もまた、この季節に同じ風景を思い出せるように。感謝の気持ちを胸に、春の名残を最後まで味わいたい。春の恵みと友情に感謝しながら、今年のタケノコを最後まで味わい尽くした。

 

今月もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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