事務所コラム
三平和男コラム「夏のお祭り」
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2025年9月1日
ここ数年、9月に入っても暑い日が続いている。朝晩は少し涼しさを感じるものの、日中は真夏並みの暑さが続く。そんな気候の変化もあり、例年8月、9月に行われていたお祭りや屋外イベントが10月、11月に行われるようになってきている。35度近い気温の中での運動会や野球大会などのスポーツイベントは、試合に出ている選手だけではなく、応援している人々も熱中症になってしまいかねない。特に高齢者は、そのリスクも高いので、開催時期をずらすというのは妥当な判断なのだろう。
私は、全国各地で行われるお祭りが大好きで、毎年、旅行を兼ねて参加してきた。特に印象に残っているのは、能登輪島の祭りで、神輿とともに、総漆塗りの豪華なキリコが練り歩く豪華な祭りだ。男性は女装をして参加するというユニークな祭りで、華やかさと同時に勇壮な祭りに興奮を覚えたことを思い出す。他には、千葉大原のけんか祭りとも呼ばれる、はだか祭りも印象深い。漁師町特有の気性の荒々しい男たちが、さらしを巻いて神輿をぶつけながら海に入っていく激しさに、興奮したものだ。その他にも、地域に古くから伝わっている祭りに触れ、その由来や歴史を知れば知るほど、さらに強く興味を惹かれて全国の祭りを機会あるごとに参加してきた。
多くの祭りは、五穀豊穣や家内安全を神様に祈願することを主な目的としているが、それぞれの地域の歴史や民俗信仰などと密接に関連していて、日本固有の文化的遺産であり、後世へ大切に守り伝えていきたいものである。しかし、近年では高齢化や過疎化の影響で、祭りの開催ができなくなってきている地域も増えているようで、とても残念である。日本各地の地域文化である祭りは、民俗学や文化人類学といった学問領域においても貴重な資料を内在している。笛や太鼓の音色とともに、多くの人の掛け声や歌声を聴いていると、不思議と数百年の時空を超えて魂が揺さぶられるような興奮を覚える。そのような感覚は私だけなのだろうかと考えたときに、母の祭り好きを思い出した。祭りをみると、いつになく心を躍らせ、夢中になっていた母の姿を思い出す。そういう意味で言えば、血筋なのかもしれないが、今のところ、私の娘二人は全く興味がなさそうだ。
日々忙しく過ごさせていただいていることに感謝しながらも、心に少しだけ余裕をもって、自分らしく過ごしていきたいと思うのは、古希を迎えたせいだろうか。
今月も、どうぞよろしくお願い致します。