事務所コラム
三平和男コラム「ラジオの深夜放送」
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2025年11月4日
夜にラジオから流れてくる音楽は、懐かしさとともに、心に安らぎを与えてくれる。眠れない夜に、諦めてラジオのスイッチを入れる。何年も、深夜にラジオを聴くことを忘れていた気がする。最近、思い出したように、眠れぬ夜にはラジオのスイッチを入れている。中学生や高校生の思春期の頃、私たちの世代は深夜放送に夢中になっていた世代である。70年代におけるラジオの深夜放送は、TBSラジオの「パックインミュージック」、文化放送の「セイ!ヤング」、そして、ニッポン放送の「オールナイトニッポン」と、各局が若者たちを夢中にさせた。
中学3年の夏、部活の野球練習中に打球が目にあたり、3か月の入院を余儀なくされた。最初のひと月は、首を固定された状態で、激痛の中、絶対安静の日々が続いた。その後も、昼間は光さえ見いだせないような状態が続く中、唯一の救いはラジオだった。退院後は、午前中だけ学校に通い、午後は病院で治療を受ける日々が続いた。受験生でありながら、教科書を含む本を読むことすら、できなかった。当時の心境は、先が見えない絶望的なもので、心の中はまるで真っ暗闇のようであった。そんな時、ラジオの深夜放送は、同世代のリスナーたちの様々な悩みや葛藤を知ることで、心が慰められ、次第に前向きな気持ちにさせてくれた。
そんな多感な時期を過ごしてきたからだろうか、深夜に流れる音楽や語りは、今でも心に染み入る。かつては、お年寄りが聴く番組だと思っていたNHKの「ラジオ深夜便」に、自然とチャンネルを合わせている自分に、不思議な気がしないでもない。だからこそ、ラジオは面白い。世代ごとに楽しめるコンテンツがあることが、ラジオの魅力なのだろう。今日もラジオが静かに深い眠りへと誘ってくれることを願っている。そして、明日も頑張ろう。
急に朝晩が冷え込む季節になってきています。どうか今月も宜しくお願いいたします。