事務所コラム
三平和男コラム「朝のルーティン」
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2026年11月5日
もう少しのんびりと暮らしてもいい歳になってきたとは思うのだが、相変わらず毎日慌ただしく過ごしている。まわりの同年代の友人たちは、子どもも成長して、夫婦二人でのんびりと生活している者も少なくない。朝もゆっくりと起きて、穏やかな気持ちでゆっくりと朝ごはんを食べ、食後にはコーヒーとともに、デザートの果物を楽しむ。70歳を過ぎたら、そんな朝の風景が日常の一部になっている人が多いのではないかと勝手に想像している。それを羨ましいと思うわけでもないのだが、少なくとも今の我が家はそういう状況ではない。ありがたいことに、と言っておこう。
我が家には29歳と25歳の娘二人が今も一緒に暮らしている。したがって、朝はとにかく慌ただしい。夫婦二人でゆっくり朝食を楽しむなどという優雅な時間は、今のところ夢のまた夢である。私自身も毎日仕事に出かけるので、それなりに身支度をしなければならない。ところが、少しタイミングを逸すると洗面所は娘たちに占領され、髭を剃ることすらできなくなる。そこで、娘たちが起きてくる前に一番に起き、朝のルーティンを済ませることになる。まずはゴミを捨て、コーヒーの豆を挽く。新聞を読みながら、毎朝欠かさない納豆と黒にんにくを用意し、その後は急いで髭剃りをする。ここまでを娘たちが起きてくる前に終わらせることが、朝の重要なミッションである。
そうこうしているうちに、まず長女が起きてくる。洗面所を独占し、手短に朝食を済ませて出かけていく。その長女を玄関先で見送る。次女は大学生なので、出かける時間が日によって違う。長女と時間が重なる日は、狭い我が家の洗面所にちょっとした「朝の渋滞」が発生する。そして次女も支度を終えて出かけていく。その姿を玄関先で見送って、ようやく家の中が静かになる。そこでやっと、自分の外出の支度に落ち着いて取りかかる。これが、我が家のほぼ毎朝の風景である。
考えてみれば、この狭いマンションで、大人4人が毎朝「早くして」「洗面所空いた?」などと言いながら暮らす日々も、いつまでも続くわけではないだろう。いずれ娘たちがそれぞれの生活を始め、夫婦二人だけの静かな朝を迎える日がやってくる。そのときになれば、今度はこの慌ただしい朝を懐かしく思い出すのかもしれない。そう考えると、洗面所の渋滞も、慌ただしい朝食も、玄関先で娘たちを見送ることも、今しか味わうことのできない大切な日常なのだと思う。
いつの日か本当に、夫婦二人でコーヒーを飲みながら、ゆっくり朝を過ごせるようになったとき、「あの頃の朝は忙しかったけれど、楽しかったな」と話せたら、それはそれで幸せなことなのだろう。今はもう少し、この慌ただしくも幸せな「朝のルーティン」を楽しんでいたいと思う。そう思うと、この幸せな時間をかみしめながら、日々過ごしていきたいと思う。
今月も、どうぞよろしくお願いいたします。